特定の人に財産を相続させたい
状況
88歳になる遺言者Aさんは夫も子もなく、2つ年下の遺言者の妹Bさんと東京都内のマンションで暮らしておりました。
また、Bさんの子(姪)Cさんも近くに住んでおり、何かと面倒を見てもらっていました。
マンションの名義はAさんとなっていたので、Aさんに万一のことがあった場合に、長年世話になっているBさんがそのマンションに住み続けることができるのかというお悩みをお持ちでした。
なお、AさんにはBさんのほかに2人の弟DさんとEさんがいる状態でした。
提案・お手伝い
「Cさんに当該マンションを遺贈し、遺言執行者を当法人とする」という遺言公正証書を作成することを提案させていただきました。
受遺者をBさんとする選択もありますが、Bさんも86歳と高齢であるので、Aさんが他界した際に判断能力がない状態となってしまっている(=そうすると、遺贈を受けるのに成年後見人の選任が必要となる)ことも想定しうるからです。
また、遺言執行者を定めておかないと、DさんEさんの協力がないとマンションの名義変更をすることが難しくなる可能性もあるので、専門家である当法人を遺言執行者として定めておく旨の提案をしました。
結果
遺言公正証書を作成した1年後、Aさんが他界しました。
案の定、DさんEさんがマンションを売却してその代金を法定相続分(=法律で定められている相続割合)で分けるよう主張してきました。
しかし、兄弟姉妹には遺留分(=最低限主張できる相続分)がないので、遺言のとおり、当法人が遺言執行者としてDさんEさんの協力なしにマンションの名義をCさんに変更することができ、Bさんはそのまま当該マンションに住み続けることができることとなりました。
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